2017-05-25 第193回国会 参議院 法務委員会 第14号
○小川敏夫君 その周知徹底じゃなくて、私は、ここでいう損害は、要するにもう逸失利益、履行利益は含まないので、繰上げ返済によって新たに生じた事務費用などのものに限定すべきじゃないかと言っているんでね。ですから、もっと具体的に言えば、そういうふうにこの法文を修正した方がいいんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○小川敏夫君 その周知徹底じゃなくて、私は、ここでいう損害は、要するにもう逸失利益、履行利益は含まないので、繰上げ返済によって新たに生じた事務費用などのものに限定すべきじゃないかと言っているんでね。ですから、もっと具体的に言えば、そういうふうにこの法文を修正した方がいいんじゃないかと思うんですが、どうですか。
ただ、だから、もっとしつこく言えば、ここでいう損害は、まさに掛かった費用だけじゃなくて、いわゆる信頼利益だけじゃなくて履行利益も入りますね、そうしたら法律論としては入るということは、ああ、もう前回答弁いただいているんだから、まあいいや、もうそれでね。要するに、信頼利益だけじゃなくて履行利益も入るんでしょう、損害論の一般の論理として。
ただ、論理として、損害があれば賠償するんだから、その損害の中にはこの民法の法律の損害論からいって履行利益も入りますねというふうに、これはこの間、前回確認しまして、履行利益も損害論としては当然論理的には入るという答弁をいただきました。
もちろん、履行利益が入る場合もあるわけで、その意味では履行利益も入り得るわけで、民法一般の損害も基本的には必ず履行利益を意味するということではなくて、あるいは信頼利益を意味するということではなくて、それは具体的な損害の発生の内容に応じて損害の解釈というのが導かれるということだろうというふうに理解しております。
つまり、法律は貸主側の損害賠償を認めている、その損害賠償の中には当然履行利益も含まれる、これはもう損害の一般論からして当然含まれる、だからこの法律の規定は当然履行利益も含むんだと。ただ、実際の運用の中で、その履行利益なるものが発生するかどうかは個々の事情によると。 つまり、法律論としては、履行利益も損害だから損害賠償請求できるんだというのが法律論ですよ。
○政府参考人(小川秀樹君) 私の理解が不十分なのかもしれませんが、履行利益かどうかということが一つの問題で、例えば損害賠償の対象として調達コストしか生じないような場合があると思うんです。
○政府参考人(小川秀樹君) 御指摘いただいた場合というのが実際上どういう場面なのかなかなか想定しにくいところもあって、例えば、法定責任説であれば損害額は信頼利益という考え方が強いと思いますけれど、契約責任説の立場に立ちますと、基本的には履行利益だとしますと損害額が非常に僅かで瑕疵はあるというようなことはなかなか想定しづらいのかなというふうには思っておりますが。
法定責任説によりますと、契約当事者が目的物の瑕疵の不存在を信じたことによってこうむった損害の範囲に限られるというのに対して、契約責任説においては、履行利益、すなわち契約の内容どおりに債務が履行されていれば、いわゆる債権者が得たであろう利益にまで及ぶというふうな理解をしておったところでございますが、今般の改正において、この損害賠償の範囲についてはどのようになるのでしょうか。
したがいまして、買い主による損害賠償の請求は債務不履行があった場合の一般的な規律に従いますので、損害賠償の範囲は履行利益にまで及ぶということになります。そういう意味では、改正法案では損害賠償の範囲は履行利益まで及ぶということで、これまでの学説の争いに対して統一が図られたものというふうに理解しております。